第二章

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「ふぁあ…」 欠伸をかみ殺しきれない自分に若干あきれながらも 洗面所の蛇口から流れ出る冷水で顔を洗う 水の滴る顔をタオルでガシガシと拭くと いくらか意識がはっきりした そのまま軽く寝癖を整えるが 鏡に映る自分の顔に再びため息がでる 「はぁ……」 僕の顔は、自分でいうのもなんだけど整っている。 でも、整っているからといって良いことばかりなんてことはなかった。 むしろ小学校、中学校と周囲の男子からは必ずといっていいほど疎まれたし、そのせいで九年間でできた友達はゼロ。 だから、高校に進学するときにちょうど家を引っ越すと聞いたときは本当に嬉しかったし もちろん今までの学区とは程遠い高校を選んだ。 ・
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