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「どうしても、って言うなら……」
涙目で言う女のその姿は
もはや既に『何をしてもいい』と言わんばかりの色香を漂わせていた。
「次から……一回、十で」
その女の口から紡がれた言葉は想像もつかない言葉だった。
「十!?」
ありえない要求に声が裏返る。
しかし女の要求はそれに留まらなかった。
「もしもう一回したいなら
あと三回はして……
合計、三十……………」
「……」
こんな要求をされたのは
人生で初めてだった。
故に言葉を選んでも選んでもうまい言葉が見つからない。
「三十も出せないなら……もうこれだけにして……」
濡れた四肢が冷房の効く室内で冷まされ乾き、鳥肌が立っている。
こんな、こんな近くに美味しそうな果実があるのに
食せずにお預けだと?
そんなことは出来なかった。
もう『する』つもりで準備も万端であるのに
このまますごすごとこの女を手放すことは出来なかった。
女の両腕を女の背中の下敷きにして果実に食らいつく。果実の全てを啜り、貪る。
腕を自身の背中の下敷きにされ、脚の上に男の脚が絡み付いて身動きの取れない女は、嬌声をあげ身をよじるだけだった。
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