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『ねぇ、私の事好きなんでしょ?』
隣に腰を下ろしたその人は、当たり前の様に私の左手を握った。
テーブルの上にあったはずの私の手は、その人によって動かされ、テーブルの下で仲良く繋がっている。
柔らかい手。
指を絡ませるように繋がれた手に意識が集中してしまう。
「ねぇ、私のどこが好きなの?」
声はすぐ横から聞こえてくる。
直視する事ができない。
「・・・あ、えっと・・・」
言葉を発する事が出来ないくらい緊張している私。
彼女はいつも図書室にいる。図書委員でもないのに。
西側の窓辺にイスを勝手に持ってきて、時折グランドを眺めながら
本を開いている彼女。
その横顔がキレイで私は彼女を見つける度に、胸がドキドキした。
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