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彼女の上履きは青色。一つ上の学年。
少し長めの前髪を斜めに下ろし、ストレートの長い髪は艶々と輝いていた。
そして、彼女のぷっくりとした唇が妙に艶かしくって。
「ねぇ、私のどこが好きなの?」
彼女は私の左手を持ち上げ、まじまじと見つめている。
自分の手なのに、自分の手じゃないみたい。
どこか遠くから、この行動を見ているような錯覚を起こす。
「ねぇ、どこが?」
急かされ、慌てて声に出す。
「髪が・・・・好きです」
そう、私は彼女の髪が好き。
夕陽に染められ、オレンジ色になり、キラキラと目を奪われる。
「あとは?」
声だけを私に向ける彼女。
彼女は私の左手を両手で持ち、何かを確かめる様に触っている。
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