男&女

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 図書室の横に設置されている資料室。鍵は勿論かけてある。でも、防音じゃない。  口から零れる悲鳴に似た嬌声を押し殺し、今日も先生にめちゃめちゃにされる。  先生が果てると同時に完全下校を知らせるチャイムが鳴った。  いつものように身なりを整えていると、「ちょっとこっちでしようか?」先生に手を引かれ、資料室のドアをくぐった。  すると、そこには図書室のドアを施錠する図書委員が目に入った。 先生はパッと手を離し、「お、お疲れ。本を戻すから施錠はオレがやろう」そう言い、カギを受け取っていた。 「さようなら」そう図書委員の子がいい、玄関方面に歩いて行った。 「ほら、早く入って」    先生に促されるまま、図書室に足を進める。  紙とインクの臭い。  少し湿った空気。
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