第一章

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彼氏と別れてから、好きな人は出来ていない。 気になるのは、あのバイクの運転手。 あのヘルメットを取ったら中身は女の人とか。 男でもすごくブサイクとか。 ハゲたおじさんだとか。 春菜ともこの話で盛り上がったことがある。 電車を降りて、歩いて学校まで向かう私達。 「ねぇ聞いてるー?」 春菜の声にハッとした。 「ん?彼氏とチューした話?」 「その話はもう終わった!」 げげ。 全然聞いてなかった。 「花火大会!行かないの?」 花火大会…って。 「あれ?春菜あたしと一緒に行ってくれないのー?」 「あたしは彼氏と行くっていう話をしてたんだけどー?」 春菜はあきれた顔であたしを見た。 「去年は優衣が彼氏と行ったから、あたし達またバラバラだねー。」 「あはは! ま、どうせ部活あるだろうしあたしは行けないよ。」 行く人もいないけど。 「っていうかさ、ホントもったいないことしてるよね優衣。 ずっと本宮先輩と付き合ってたら今頃は車で迎えに来てくれてただろうしさ!」 本宮先輩とは、あたしの初めての彼氏。 いきなり元カレの話を出す春菜にため息をつくあたし。 「あのさ…元カレの話するの好きだね。」 「だって結構人気あったんだよ~本宮先輩! 優衣は一体何がダメだったんだっけー?」 ………。 「わかんない。なんとなく。」
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