18人が本棚に入れています
本棚に追加
束縛をされてもいいと思うくらい、彼のことが好きじゃなかった。
ちょっと仲の良い深い友達。
あたしの中ではそういう感じだったのかもしれない。
キスした時も、「付き合う」ってことはこーゆーことするものだと、冷静に考えた自分がいた。
本当に好きな人とはキスしていない。
「あ、ウザくなったんだっけ?」
思い出したように言う春菜。
「まぁ、そんな感じだったかな。」
彼とずっと一緒にいるのが、面倒になっていった。
「っていうか優衣、大人しそうな顔して案外ヒドイよね。」
「えー?そんなの見掛けで判断するからでしょ?」
「ねぇ、本宮先輩から連絡ないの?」
「…あるわけないし。」
あたしの言葉に、春菜はため息をついた。
「だってあたしを今の彼氏と出会わせてくれたのは本宮先輩じゃん?
優衣と先輩がそのまま友達なら、また四人で遊んだり出来るって思ったんだけどな~。」
春菜の彼氏は、本宮先輩と同じ中学だった。
本宮先輩の後輩。
「春菜が彼氏と上手くいってるならいいじゃん?デートも楽しいでしょ?」
「楽しいけどさぁ~…。」
夏はダブルデートで海に行きたかったって、春菜は嘆いた。
学校に着くまでそんな話で盛り上がり、私達はそれぞれの教室に入った。
最初のコメントを投稿しよう!