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耳児は槍投げ器を工夫して肘男を驚かせ、
やがて二代目の力男と呼ばれるようになった頃部族は百人を超えた。
首狩族や鼠族、
また生贄族など他の狩人達とバイソンを間に対峙することしばしば、
厭な冬が来た。
鳥獣が南へ移動する。
内陸深くバイソンを追う力男を老いて口やかましくなった腰女が止めた。
その先は氷の壁だ、
入れば滅ぶ。
しかしかっての力男が陸橋へ踏み出したようにこの力男も仲間を集め氷壁の間を南下した。
氷河の水は海流が提供する。
当時、
北米大陸の北半分を覆った高さ千五百メートルに及ぶ氷床の芯は二つ、
太平洋岸の山脈とカナダのローレンシア高原。
温暖化による氷河の後退はロッキー山脈東に回廊を設けた。
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