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◇◇◇
「本当か!?」
「本当や!はよ!」
お琴が土方を呼びに来ていた。
玲が怪我して帰ってきたことを伝えると明らかな動揺を見せた。
噴かしていた煙管も煙草盆の上に置き、お琴のあとについて玲の部屋へと向かった。
玲が……
何をされた?
誰にあった?
そんなことは滅多にないだろ。
それに帰ってきた山崎も傷だらけだった。
「玲!!」
「しーっ!……今、寝たとこなの。」
土方が勢いよく襖を開けると藤堂が口の前に一本指を立て、静かにするよう言った。
「悪い、悪い…。で、どうなんだ?」
「なんていうか…脇腹と左肩を負傷。どっちも傷は浅いから大丈夫だけど、血を流しすぎたね。」
土方は畳を殴り付けた。
鈍い音がして土方の拳は赤くなっていた。
今は穏やかな顔をして寝ているものの、帰ってきたばかりの時なんて痛みに顔を歪め、此処まで走ってきたことが不思議に思えた。
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