第五章

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「でも、その二人は死ぬ…。……土方さん、間者の可能性は?」 もし間者が紛れていてこの話を知っていたら…? 芹沢と新見がいずれ死ぬことを知っていたら…? いっそ自分達長州の手で殺してやる。 幕府への恨みを少しずつ晴らす為に。 「なくはないかもしれねぇな…」 「もし、これが幕府への復讐の一歩だとしたらまだ続く。そんな気がする…」 副長…? 副長はフッと笑みを浮かべ私の頭を撫でた。 最初は優しく撫でていたが私の頭をぐしゃぐしゃにした。 「いつもそれくらい言ってくれりゃあいいんだけどな。」 「私は副長の意思に従うまでです。意見を言うなど…」 忍にはあり得ない。 忍は主の手足となり動くもの。 意思なんて必要ない。
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