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「帰ってきてないのか……」
「芸子に成り済ますと言ったきり…」
私は溜め息を吐いた。
全く…
私に気を付けろと言っておいて自分は気を付けなかったのか。
私は隠してあるクナイの本数を確認し、口元まで布を上げた。
「私が行く。あとは頼んだ。」
私は屯所から出た。
何処にいるのか見当もつかない。
けれど、気になることはある。
吉田の存在だ。
もし姿がバレていたら…
とんでもないことになる。
「玲、あの男を探してんのかー?」
「うるさい。伊賀忍には関係ない。」
私の前に現れたのは翠だった。
私にしたこと、忘れたとは言わせない。
私はクナイを取り出し、構えた。
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