第六章

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「おー、こわっ!迎えに行ってあげた方がいいんじゃねぇの?玲が行かなきゃ死ぬかもよ、あの男。どっかの誰かさんみたいにさ。」 「伊賀忍が…!何処にいる?」 悔しいけど頼るしかなかった。 山崎を見つける為なら手段を選んでいる余裕はなかった。 翠は森の中を指差した。 「お前ら伊賀忍がいたら皆殺しだ。」 私は翠を睨み付けた。 翠は笑って手を振り、姿を消した。 私は警戒しつつ、森の中を進んだ。 「山崎…?」 森の中に無惨に投げ捨てられていた女装姿の山崎。 私は駆け寄った。 「山崎!おい…!」 私は抱き上げ、揺さぶった。 山崎は痛みに顔を歪めながら目を開けた。 「すまん…。しくじってしもた…」 「もういい。……帰ろう。」 「そうはさせないよ。」 現れたのは吉田稔麿だった。
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