第六章

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私は舌打ちをして吉田を睨み付けた。 「間者を送り、芹沢と新見を殺そうとしたのはお前か?どうせ死ぬなら長州の手で殺そうと?」 「へぇ…。幕府の犬でも賢いのがいるもんだね。」 山崎の手足の拘束を外した。 せめて、こいつだけは逃がす。 この状態で此処にいられても邪魔なだけ。 誰かが報告に行かなければ意味がない。 「山崎、走れるな…?」 「玲…?」 私はクナイを取り出した。 それを見た吉田は刀を抜き、構えた。 そして、二人同時に地を蹴った。 「玲!!」 「お仲間が呼んでるよ?」 キリキリとぶつかり合う刀とクナイ。 吉田は余裕そうに笑みを浮かべる。 「うるさいな……。早く…行け!」 私は後ろへと跳んだ。 それに追い討ちをかけるように吉田は突っ込んでくる。
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