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「ムカつく…!」
寝不足じゃなかったら…
あんな奴に…
私が通った道の地面にはポタリ、ポタリと血が落ちている。
けれど、吉田の気配はしない。
追いかけてこない。
私を殺すことなんていつでも出来ると…?
本当、ムカつく…
でも、その前にこの出血はまずい…
このままじゃ本当にあいつに殺されるも同然だ。
それだけは避けたいものだな…
「早くしないと殺されるぞー。」
「う…るさい……。」
また翠が私の前に現れた。
翠はクナイをクルクルと回している。
ほんっと、何考えてんだか分からない…
「うあっ…!」
翠のクナイが左肩を掠めた。
私はまた走り出した。
私は知るよしもなかった。
翠が妖しげに笑っていることなど。
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