第六章

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「ムカつく…!」 寝不足じゃなかったら… あんな奴に… 私が通った道の地面にはポタリ、ポタリと血が落ちている。 けれど、吉田の気配はしない。 追いかけてこない。 私を殺すことなんていつでも出来ると…? 本当、ムカつく… でも、その前にこの出血はまずい… このままじゃ本当にあいつに殺されるも同然だ。 それだけは避けたいものだな… 「早くしないと殺されるぞー。」 「う…るさい……。」 また翠が私の前に現れた。 翠はクナイをクルクルと回している。 ほんっと、何考えてんだか分からない… 「うあっ…!」 翠のクナイが左肩を掠めた。 私はまた走り出した。 私は知るよしもなかった。 翠が妖しげに笑っていることなど。
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