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「な…んで……。貴方は…私のことが……」
「もう喋っちゃ駄目!……脱がすよ?」
私は頷いた。
胸に巻いていた晒は左肩の血で赤くなり、また脇腹からの出血でも赤くなっていた。
出血量は少し多いが傷はそんなに深くなかった。
「藤堂はん、これ…」
「ありがとうございます!置いておいて下さい。」
お琴さんはじっと私のことを見る。
私は痛みに顔を歪めるが、お琴さんの視線に気付き、笑みを浮かべた。
「大丈夫…です。……副長に…伝え…なきゃ……」
「せやったら、土方はん呼んでくるな!」
お琴さんはバタバタと走っていなくなった。
藤堂組長は手際よく手当てをこなしてくれた。
「本当なら、山崎くんがやってくれるんだけど、生憎怪我してるしね。」
そうだ…
山崎は生きてるのか…?
死んでないか…?
少しだけ気になった。
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