第1章 悪夢

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「さてと、階段は確か。こっちだよな……」 図書室から出て、出口を目指す為、下り階段を探していた。 暗く明かりの無い長い廊下。 電球は等の昔に撤去されている為、僅かな月明かりが頼りだった。 一歩、一歩と歩く内にようやく階段が見えて来た。 三階建ての古びた廃校、俺がここに探検しに来たのは学校内にある噂を耳にしたからだ。 (何だよ、あの噂。本当だったのか?) 先程通り掛かった廊下の突き当たり、そこには無かったはずの下り階段が存在していた。 この廃校は、朝と夜とでは階数が違う。 普段は二階建てだが、夜満月になると無いはずの三階が存在する。 あの声はもう聴こえない。 和真は軽い足取りで階段を下りた。 「特に、変わった事無かったな?所詮噂だったのか」 何てぼやきながら昇降口に向かう。 だが、夜に探検するルールを一つ、俺は忘れていた。 「ふわぁあっ、眠いな」 目を擦り、欠伸をした。 ――見付けた…… と、その瞬間、あの声がした。 廃校を肝試しするルール、それは欠伸をしてはならない。 何故なら、命を狙われるから。 「えっ、今何か聴こえ……」
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