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――見付けたよ……
小学生くらいの小さな女の子が不敵な笑みを浮かべて呟く。
その口元が緩むと同時、彼女の頭から血が流れ出る。やがてそれは全身に現れた。
無数の傷痕からじわりと血が滲み出した。
少女はそれでも尚笑っている、不気味だった。
(く、来るなぁあああ……!)
かなきり声で和真は叫ぶ。
――だって、生きた魂を感じたよ?
少女は意味の分からない事を言うと、手をこちら差し伸べる。
俺は咄嗟に、その手を凪ぎ払う。
途端に女の子は血相を変え、此方を睨み付けた。
――早く、頂戴?
ニタリと不敵に笑う少女、その口は頬の近くまでつり上がる。
――頂戴……?
気付くと少女は和真の首に手を回していた。
そして、無表情になるとこう耳元で囁いた。
――首を頂戴……
少女に言われ、俺は震える。
「く、来んなよ。化け物!」
――もう、貰ったよ。
しかし彼女は少しすると手を離す、その途端、首筋に酷い激痛が走った。
「うっ、うわぁああぁあ!」
少年の叫びが、廃校の長い廊下に響く。
だが、その声を聴いた者は誰も居なかったと言う。
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