第1章 悪夢

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――見付けたよ…… 小学生くらいの小さな女の子が不敵な笑みを浮かべて呟く。 その口元が緩むと同時、彼女の頭から血が流れ出る。やがてそれは全身に現れた。 無数の傷痕からじわりと血が滲み出した。 少女はそれでも尚笑っている、不気味だった。 (く、来るなぁあああ……!) かなきり声で和真は叫ぶ。 ――だって、生きた魂を感じたよ? 少女は意味の分からない事を言うと、手をこちら差し伸べる。 俺は咄嗟に、その手を凪ぎ払う。 途端に女の子は血相を変え、此方を睨み付けた。 ――早く、頂戴? ニタリと不敵に笑う少女、その口は頬の近くまでつり上がる。 ――頂戴……? 気付くと少女は和真の首に手を回していた。 そして、無表情になるとこう耳元で囁いた。 ――首を頂戴…… 少女に言われ、俺は震える。 「く、来んなよ。化け物!」 ――もう、貰ったよ。 しかし彼女は少しすると手を離す、その途端、首筋に酷い激痛が走った。 「うっ、うわぁああぁあ!」 少年の叫びが、廃校の長い廊下に響く。 だが、その声を聴いた者は誰も居なかったと言う。
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