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――ここは?
真夜中に、俺は自室のベッドで目を開ける。
寝汗をびっしょりかいていた。
「何だよ、夢か……」
俺は喉が渇き、起き上がると台所に向かう。
嫌にリアル(現実)味のある夢だった。
スリッパを履き、階段を下りて一階に行くと、鏡の前に映る自分の姿を見て絶句した。
和真は首筋にある妙な痕に気付く、小さな手の痕、それはまるであの夢みたいだった。
(あぁっ、掻きむしっちまったか)
そうとしか考えなかった。
俺は馬鹿馬鹿しく思いながら冷蔵庫からペットボトルの麦茶を取り出す。
ゴクッ、ゴクッ……
喉に冷たい麦茶が染み渡る。
「うん、旨い!」
満足して、ペットボトルの麦茶を冷蔵庫にしまい、俺は自室に戻った。
しかし、異様な静けさだ。
時刻は午前四時を回っていると言うのに、朝刊すら届かない。
和真はあまり、幽霊を信じない、だからなのかそんな状況さえも関係無いと考え、自室のベッドに潜り込む。
――ジリリリリリンッ
翌朝、午前7時。
目覚まし時計が五月蝿く部屋に鳴り響く。
(っ、後一時間……)
寝息を立てて再び眠りにつく和真。
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