3人が本棚に入れています
本棚に追加
――あはははっ。
何処からか、暗闇の中で少女の笑い声がした。
まただ、またあの夢だ。
「んっ?」
目を覚ます、すると外が薄暗くなっている事に気付く。
真上には見慣れた天井、そして見覚えのある部屋。
間違い無くここは自室。
――しぶといなぁー。
クスクスと不敵に笑う彼女。
「お、お前何なんだよ。どうして俺の夢に?」
和真は挙動不審になりながら訊ねる。
ドタンッ
しかし、突然の背中の痛みに和真は目を覚ます。
夢は途中で途切れてしまった。
「ってぇ、何だよ!」
ベッドから転げ落ちていた。
まだ気だるい体を起こし、ゆっくりと起き上がる。
ふと、時計に目をやると時刻が午前九時になっていた。
「やばっ、完全に遅刻じゃねぇかよ!」
慌てて身嗜みを整え、俺は制服に着替えると階段を駆け足で降りた。
階段を下り、一階に着くと朝食も取る暇も無く、仕方無しに玄関から外に飛び出す。
(ハァッ、久々に遅刻か。かっこわりぃ……)
今日はもうサボってしまおうかとも思った。
だが単位がとれなければ駄目だ、その為休めず、学園に向かうしか無かった。
最初のコメントを投稿しよう!