第1章 悪夢

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――あはははっ。 何処からか、暗闇の中で少女の笑い声がした。 まただ、またあの夢だ。 「んっ?」 目を覚ます、すると外が薄暗くなっている事に気付く。 真上には見慣れた天井、そして見覚えのある部屋。 間違い無くここは自室。 ――しぶといなぁー。 クスクスと不敵に笑う彼女。 「お、お前何なんだよ。どうして俺の夢に?」 和真は挙動不審になりながら訊ねる。 ドタンッ しかし、突然の背中の痛みに和真は目を覚ます。 夢は途中で途切れてしまった。 「ってぇ、何だよ!」 ベッドから転げ落ちていた。 まだ気だるい体を起こし、ゆっくりと起き上がる。 ふと、時計に目をやると時刻が午前九時になっていた。 「やばっ、完全に遅刻じゃねぇかよ!」 慌てて身嗜みを整え、俺は制服に着替えると階段を駆け足で降りた。 階段を下り、一階に着くと朝食も取る暇も無く、仕方無しに玄関から外に飛び出す。 (ハァッ、久々に遅刻か。かっこわりぃ……) 今日はもうサボってしまおうかとも思った。 だが単位がとれなければ駄目だ、その為休めず、学園に向かうしか無かった。
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