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No,01 冴えないボクとNo,1なキミの波乱の出会い
人が賑わう夜の繁華街は、仕事を終えたサラリーマンやOL達で賑わっていた。
そしてそんな彼らを待ち受けているのは客引きだ。
肩を並べて歩いているサラリーマンの集団には、若い下っ端の黒服がキャバクラへ誘導する。
一人、周りをキョロキョロ見渡している中年男性には、いかにも怪し気な男性が声をかけ風俗店へとご案内。
そして、女性だらけの集団には、派手なスーツを身にまとった軽いノリの男性達が、とある場所へとエスコートして行く。
その様子を目で追っていた佐伯玲司-さえきれいじ-(28)は、今日だけでもう何度吐いたか分からない溜息を再び吐き鼻先に向かって滑り落ちて行く黒縁メガネを人差し指で押し上げると、先ほど女性達が入って行った目の前にあるビルをレンズ越しに見詰めた。
「はぁ……」
思わずまた溜息が出る。
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