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~ 二週間ほど前 ~
side 真奈
兄さんがあの日いなくなってからもう一か月かぁ…
嫌な予感がして家に帰ったら兄さんも葵ちゃんもいなくて…
そこから雷ちゃんと鳴先輩をつれて色々探し回ったんだけど見つからなくて…
『はぁ・・・・・』
精魂疲れ果てて家に戻ったら白崎先生と変な店長(なんか妙に人間臭い色をしていた)が不法侵入してて…
『真一君探しても無駄だと思うよ? もうこの世界にいないし』
『え? それはどういう…?』
嫌な予感が当たったと思い話を聞いてみればボクと鳴先輩が遭遇した変な青年同様兄さんたちも何かに遭遇していたらしい。
あの男の話を聞いてずっと黙って表情を曇らせていた鳴先輩もそれには驚いていた。
その後いくら話しても理由を教えてくれず、ボク達は途方に暮れていた…
鳴先輩は帰り際に『黒井達にはわたしがうまく話をごまかしておくから』と言ってくれていた。
その後聞いた話では兄さんは祖父の家に帰っていることになったようだ。
勿論ボクたちもその話に乗っかった。
『はぁ…』
その後待てども待てども兄さんは帰ってこず、雷ちゃんは気まずさを感じたのかボクを置いて隣の家に戻ってしまった。
といってもご飯の時間には帰ってきたけどね。
時々ボクの元には事情を知らない裕也君やえーりん以外のメンバーがよく来てくれた。
元気がないのを見て、氷波ちゃん(事情は知らない)がよく遊びに来てくれたけれど…兄さんが心配でボクの心は晴れなかった。
『ため息ついてばっかだと幸せ逃げるぞ真奈?』
『はぁ…………あ、兄さんお帰り』
自分がブラコンではないかと思い始めた途端兄さんが帰ってきた。
・・・前と変わってないようでよかったよ。
『…ただいま その…変わりなかったか?』
何だか他人行儀の兄さん。
申し訳なさそうにこちらを見ている。
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