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side 真一
「真一今日は帰れるの?」
何となく気まずい昼飯タイムが終わり、色々あって現在は放課後だ。
担任の終礼が終わるや否や裕也がやって来る。
…さっき体育だったのに元気な奴だ。
因みに今更ながら何故二学期開始一日目から授業があるのかという疑問があるだろう。
別にこれはご都合主義ではなく、一学期に学校で起きた事件のせいで一週間ぐらい休講していた補講のためである。
うーむ…まぁ俺としては夏休み中に補習がなくてよかったというべきなのだろうか。
「悪いが今日は部活があるんだ悪いな」
「そっか なら先に帰ってるよ」
以前とは違い、素直に帰るみたいだな。
ハーレム(という名のただの友人たち)は三々五々俺に言葉をかけるとそのまま帰っていった。
…ただし雛形だけは宿題の件で居残りのようだが。
「真一君帰るとき呼んでよ」
「…割と残ってるようだが終わるのかそれ」
「わ、わかんない…でも終わらないと帰れないのよね」
「まぁ頑張ってくれ」
見たところ英訳の問題やら感想文やらが机の上に散らばっている。
今日はそこまで入り浸るつもりではないし、さっさと顔を見せて帰りたかったのだがな。
自業自得だろと思いながら俺は部室へ向かった。
”ガラガラ~”
部室の扉を開けると、中には二人の男性がいた。
珍しいな…特に副部長。
「受験勉強はいいんですか? 風の噂では割とヤバいらしいですけど」
二人とも机に向かってはいるもののただ駄弁っているようにしか見えない。
…留年するぞ。
「うむ まあ我は大丈夫だ ただこの眷属が…」
「ま、魔王君微分の公式とは何だったっただろうか?」
「…こんな感じなのだ」
呆れた顔をする黒い服に身を包んだ青年(校則違反)が見つめる先には留年した副部長が頭を抱えている。
・・・・・・一応勉強はしてたのか。
「大変そうですね…」
とりあえず顔見せたので帰ろう。むさくるしいし
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