その1 再び蘇るかませ

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帰宅後俺はご飯にじゃこを乗せて食っている真奈に『少し寝る』と言って自室へ向かった。 「・・・・・・・」 ベッドへ寝転がると、さっきの言葉を思い出す。 まさか雛形にいないことがバレていたとは…。 いや、俺も鈍くて騙されやすい組の誰かにばれるかもしれないとは思っていたが…直球で聞かれるとは思わなかった。 事情をある程度知っている絢や鳴はどこか心配そうな顔をしていたが、何も聞いては来なかった。 真奈曰く俺は祖父母の家に帰っていたことになっているが、長年一緒にいた裕也は気づいたのかもしれないが…あいつは疑うことを知らんからな。 雛形は裕也の次にバレないと思っていたが予想外だった。 雛形にはそのうちゆっくり話すと伝えたが、その言い方だと余計に心配かけるよな…。 はぁ…なんだってあんな目に合ったんだ俺は…。 「あのー…寝ころんでますけどご主人様もうおねむなんですか?」 「ぬお!? びっくりした…葵か」 いきなり声をかけられ驚く。 気が付けば葵が嬉しさ半分心配半分の顔でこちらを見ている。 …どうやら楽しく遊んできたらしい。 誰と遊んでたんだろうか? 「聞きましたよ ご飯も食べないで自室にこもってると妹様がおっしゃってましたけれど…どうしたんですか?」 「俺が悩むことなんてあの世界でのことしかないだろ?」 「…いや、他にも問題山積みですよね? もしかしておやつの食べ過ぎでお腹すいてないんですか?」 「お前じゃないんだからそれはねえよ…」 ・・・どうも葵相手にシリアスはしたくないな。 まあ俺の心を読み取る程度には察しがいい方だし、本当は気づいているんだろうな。 「ところで誰と遊んでたんだ?」 話をそらすよう俺は聞いた。 「鈴音ちゃんです! あと銘葉君もいましたよ」 …え? あいつらまだ成仏してなかったの? 「いや…勝手に殺さないでくださいよ… 鈴音ちゃんは亡くなってないですよー」 忘れた人のために言っておくと、銘葉…夜川銘葉は俺の中学時代の友人で、俺が片思いしていた遠世鈴音が俺の目の前で飛び降りたショックで引きこもった後事故で亡くなったらしい。 その後異世界へ転生したのだとか。 俺が言うのもなんだけどこの世界大丈夫か?
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