その1 再び蘇るかませ

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まあ今はあいつらのことはどうでもいい。 それよりも今はだなあ・・・ 「葵…やっぱりあっちであったこと全部みんなに言うべきだと思うか?」 「…思い出さない方が良いです あんなファンタジーの世界なんて忘れてしまえばいいんです」 葵は悲しみ半分辛さ半分みたいな顔でそうこぼす。 …いや、この世界も割とファンタジーだと思うがな。 ラスボスが割と近くにいるという時点で詰んでるが 「とりあえずご飯食べませんか? 妹様が用意しておりましたよ」 「言っておくがちりめんご飯なら食わんぞ? なんだよあれ 朝のお返しなのか?」 俺だって成長期の男なんだからそれだけで足りるわけがないだろうに…。 しかし俺の言葉に葵は首を傾げる。 「ちりめんじゃこ…ですか? おいしいですよねあれ」 「そんなこと聞いてねえし …まぁいいや 行くぞ」 「はい!」 恐らくさっきのは自分の晩御飯なのだろう。 少ないとは思うが、あいつも一端の女の子。ダイエット精神が働いたのかもしれないしな。 「………ごめんね兄さん」 「…………マジかよ」 「うぷ…お腹いっぱいだよ…」 「そりゃそうだろうな!! はぁ…」 結果だけ言えば、ダイエットは失敗のようだ。 こいつ俺の飯まで全部食いやがった。 …朝のお返しの可能性もあるが、自分にも大きな損害があるしそれはないか。 しかし飯どうしようかな。 真奈はあれだし…頼有軒は臨時休業だった気がするな…。 そ、そんなときは………………友人の家でただ飯でも食うか。 「ひどくないですかね…?」 うっさい葵。 お前は飯食わなくていいからだろ。 さて、どこへ行くかな… 「神社はどうですか? 鈴音ちゃんがご主人様のことをm「兄さん…わかってるよね?」」 「別に遠世がいいと言ってるんだしいいと思うんだがな…」 葵の案を真奈が何故か反対した。 真奈と遠世の関係性は不明だが、たぶん俺絡みなのだろう。 たまにこいつは訳分からん理論で動いてやがるからな… さて…じゃあ残る二人のうち近い方に行くかな。
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