その1 再び蘇るかませ

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お昼やーすみ! さぁ!今日も元気に購買へダッシュだ! 「…何だ今の」 「どうしたの真一? 頭の中に見知らぬ人の声が聞こえたかのような顔してるよ」 「どんな顔だよ…それより飯にするか」 裕也の言う通りだったのは内緒。 なんでわかったし。 それはそうと… 『遠世さん一緒に食べましょ!』 『待て! 俺らと食べるんだ!』 『いやいや、そこの転入生はうなぎさんと食べるんだよ』 『『誰!?』』 あれから数時間が経ち、昼休みになったが妖怪真っ白女は相変わらずクラスメーツに囲まれている。 何故か変な耳の下級生が混じっているのが気になるが、あいつに常識は通用しないだろうから無視だ。 「ん? そういえば絢たちどこ行ったんだ?」 周りを見渡しても、雛形と絢がいない。 俺がよそ見している間に便所にでも行ったのだろうか。 裕也に尋ねると、クラスメーツを指さす。 『ねえ遠世さん、真一いるし一緒に食べない?』 『鈴音ちゃんって裕也とも仲良かったのよね?』 『な、なんですかこの人の量!? せ、先輩! これどういうことですか!?』 「あそこだよ …よくやるね」 「マジかよ…ってよく見たら栗原もいるし」 俺が呆れている横で裕也は珍しくため息を吐く。 こいつが面倒くさそうな顔するなんて珍しいな…。 いつもは人に甘い裕也も、休みごとに騒がしくされるのは嫌だったらしい。 遠世も嫌なら嫌で断ればいいのに、困った表情をしながらも 『え、ええと……と、とりあえずお手洗いに…』 『うなぎパーンチ!』『ごふっ…猫耳ちゃん強え…』 『ふっ…モブ山がやられたか…』『だがこいつは我らモブ四天王最弱のおと『黙ってなさい!!』ごふっ…』 『さと…モブ雄!? くっ…だが我らにはまだ最強のおと『邪魔よ!』ぎゃああああああああああ!!』 「「・・・・・・・」」 こいつら馬鹿なんじゃねえの? 何で教室で乱闘してるんだよ。 遠世が困り切った顔でいる中、何故か雛形やうなぎさんが群がる男子を討伐している。 一体どうしてそうなった・・・
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