その1 再び蘇るかませ

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春上と草川は中学生の時に裕也に惚れていたビッチのことだ。 銘葉…夜川銘葉は遠世の幼馴染で、男の娘だ。 どちらも中学生時代裕也とつるんでいた相手であるが、遠世が飛び降りた後なんやかんやで草川以外は死んだ。 生前ビッチは遠世にひどいことをしたのでざまあと言っておこう。 「夜川はともかくあの2人は自業自得だろ それよりも…だ コンビ二行かねえか?」 「ど、どうでもいい!?」 遠世がガビーンとしている。 え、分かりにくい? まあ俺も流石に今の話題そらしは無理があると思ってる。 実はビッチ二人には遠世の敵討ちということでそれはすごい報復をしたからな。 まぁそれはおいおい語るとするか。 うん、俗に言う伏線回収だな。 「…木崎君、もしも昔に戻れるとしたらいつに戻りたい?」 「そんな質問に意味はないだろ? ほら、コンビ二行こうぜ…」 そう言って腕を引く。 なんでネガティブになってるのこの人 遠世を引っぱって雛形とよく行ったことのあるコンビニに着いた。 さて、コーヒーゼリーは・・・と。 「木崎君相変わらず好きなんだねコーヒーゼリー まだ布教を続けてるのかな?」 「駄目だ どいつもこいつも嫌いなんだってよ」 遠世の質問に思わず苦い表情になる。 なぜか俺の周りにはコーヒーゼリー嫌いの人が多い。 美味しいと思うんだが… 「ふふっ、そういうところは変わってないね じゃあ私が一緒に食べてあげるよ!」 「………」 そう言い笑顔になる遠世。 あかん…思わぬ優しさで惚れ直してしまいそうだ…。 「久々に食べたけど美味しい! 神社では野菜ばっかだったからね」 「え、マジで?」 近くの公園のベンチで買ったばかりのコーヒーゼリーを食べていると、遠世がさらっと言った。 あれか。年取ると肉食べれないとか? あそこ年寄り多いからな。 「うん、杏さんがよく野菜をおすそ分けしてもらってるからね しかも神社に畑もあるし」 夏休みに行った間宮家も山奥に畑作ってたし、何も言うまい…。 それはそうと杏のやつ結局付近の人と仲直りしたのか? 初めて会った時冬木が何か言ってた気がするが… 「ふう… ねえ木崎君」 味わっていた俺と違いさっさと食べ終えた遠世が改まる。 もうネガティブ発言はいいです。 「朝から…葵ちゃん見ないけどどこ行ってるの?」 「あ、忘れてた…」 そういやいねえ。 『ひどいです!!』
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