その1 再び蘇るかませ

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「ひ、響がなんでいるのよ!! ア、アンタの勘違いでしょ…?」 「落ち着け鳴 俺のみ間違いではないし、そもそもそれを言うなら俺だって異性の家にいるじゃねえか」 何故か知らんが顔を真っ赤にして俺を睨む鳴。 もしかして…天音にやきもちでも妬いているのか…? なにそれおもしろい 「それはアンタが押しかけてきたからでしょうが! 本当だとしてもどうして絢の家に行くのかしら?」 一応落ち着いたようで、考え込むポーズを取っている。 恋愛事とは考えないんだな…俺も考えないけど。 俺自身あのヘタレがリア充になれるとは思えないんだよな。 そもそも絢には裕也がいるし考えるまでもないか。 「うーん…つながりが見えないわね」 「そんなに気になるなら行けばいいだろ?」 五分位ずっと悩んでいるようなので助言してやる。 何をためらってるんだこいつは…。 「それが出来たら苦労しないわよ! そもそもいつまでウチにいるのかしら?」 「寝る前には帰るぞ」 「…今帰るつもりはないってわけね わかったわ じゃあ今から絢の家に行くわよ!」 一人で行くのは嫌だから俺をみちずれにしたいようだ。 まぁ俺も絢がどうして男を連れ込んだのか詳しく聞きたいし。 …裕也を見限ったとかだったら笑えねえ。 栗原の一人勝ちかよ。 「じゃあ準備するから向こう行ってなさい」 鳴は俺にそう言うと、何故か着替えはじめる。 …始めて家に来たのにどこで待ってろと? あ、玄関か。 「絢の家からわたしの家までよく来れたわね…電車で30分はかかりそうだけど」 「何で服着替える必要があったのか…」 「うるさいわね馬鹿! あんな服着て外出て行けるわけないでしょうが!」 あんな服=Tシャツ+半ズボンだ。 ボーイッシュな服装と言いたいところだが、太もも丸出しなのは女子としてどうなのだろうか。 今はジャージに着替えている。 女子力ェ・・・
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