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「そんなことはどうでもいいんだよ うなぎさんはボクがバイト掛け持ちすることについてどう思う?」
「いや、どう思うも何もセンパイがいいのならいいんじゃないの? うなぎさんに聞かなくても勝手にすればいいと思うんだけど」
『そんなことのためにうなぎさんは呼ばれたんだね…』と何やらしょげているうなぎさん。
いや、何でそんなガッカリした顔をしているのかな…?
「というわけでうなぎさんには兄さんの説得をしてほしいんだ」
「いや、なんで私…じゃなかったうなぎさんが?」
今自分のこと”私”って言った? キャラなの?
うなぎさんは嫌そうな顔をしている。
「やってくれたらリンちゃんに頼有軒の萌やし丼無料券を配布してもらえるよう融通きかせるけど「やります!!」…早いね」
というわけで第一関門突破だ。
後は兄さんが帰ってくるのを待つだけなんだけど…遅いなあ。
うなぎさんの説得が完了したのはいいけど、あまり遅いとうなぎさん帰っちゃいそうだし…
あ、リンちゃんの件は本当のことだ。
まあ兄さんに甘いからねあの人。
実家のものを私的に使うのはまずいだろうけど。
「ただいま・・・」
あ、そんなことを考えていたら帰ってきた。
何だか声に元気がないけどどうしたんだろう?
しかも足音が複数聞こえる…
またあの人女の子の家で食べたの?
「ま、真奈…助けてほしいことが…」
「センパイお帰りなさーい その二人は何ですか?」
居間に入ってきた兄さんが開口一番そんなことを言う。
だがうなぎさんはその声を無視し、兄さんと一緒に入ってきた二人を見てそう言った。
兄さんに続いて歩いて来たのは二人の女の子。
何故か片方は兄さんと手をつないでいる。
一人は鳴先輩。
もう一人は…ボクの従姉の1人である木崎…なんだっけ? まいける?
「こんばんわ真奈 今日はこの馬鹿家に来たのよ」
「やっぱり… でもどうして兄さんについて来たの?」
家近くないよね?
あと横の黄緑どこで拾ってきたの?
黄緑と手をつないでいる(繋がされている)兄さんは真っ青な顔をしている。
うーん…名前思い出せないなあ。まつこ?
side out
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