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適当に絢に振ると、絢が呆れた表情になった。
じょ、冗談だからな?
『ねえ絢、あなたどうして響と黄緑さんを家にいれたの?』
『き、黄緑…!?』
鳴が絢にそう尋ねた。
俺以外にも黄緑呼ばわりする人がいるとは…
黄緑さんが呼び名で驚愕しているのは言うまでもないな。
『なんでも何も天音君は小学生の時からの友人だもん 頼まれたら嫌と言えなくてね』
さらっととんでもないことを言う絢。
あれ…?そんなこと初めて聞いたんだけど!?
『!?』
鳴も驚愕の表情を浮かべている。
『学校から帰ったら天音君と真琴さんが立ってたから入れたんだよ』
『…よくそんな不審者を入れたな』
『そうね』
『『ひどい(です)!?』』
絢の言葉に俺は呆れてしまった。
鳴も俺と同じことを思っているようで、ため息を吐いた。
『わたし的にはどうでもいいんだけど…連れて帰ったらどう? どうせ部屋開いてるんでしょ?』
自分に関係ないことは家族と雛形以外どうでもいいと思っている鳴は、面倒くさそうにそう言う。
何が面倒くさいってこの後数十分もかけて帰らないといけないということだ。自業自得だが。
うーん…面倒事にこれ以上巻き込まれたくないんだがな…
黄緑を見ると、目をキラキラと輝かせて俺を見つめている。
…同じ従妹の部長と違って顔立ちがいいな。
まぁあれは体の大半を包帯で隠しているから顔立ちがはっきり分かんないだけで、昔は可愛い顔していたんだけどな。
とにかくどうするべきかな…
『真一君私を家へ連れていってくださいませ!』
『…その不自然な口調止めてくれたら考えるが』
敬語のつもりか知らんが、俺に使うべき言葉じゃないだろ…。
そう言えば年上に見えるけどいくつだ?
〔真一!!女性に年齢を聞くのは駄目だよ!!〕
はっ!? 何故か裕也の声が脳内で聞こえた。
・・・んなわけあるかよ!
『ううーん・・・・』
『お願いします真一君!』
どうしよう…勝手に連れて帰って真奈に怒られないよな?
『私の家でもいいけど真一の家がいいみたいだし持って帰ってよ』
『お、おう…』
絢がどこかとげのある言葉を放つ。
…なんか機嫌悪い?
「そういうわけで連れて帰ってきたんだ」
「へえ…」
話し終えると真奈は面倒くさそうな顔している。
・・・・・・すまん。
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