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「真琴さん、ちょっとこっちに来て」
「うん」
うなぎさんが帰り一段落すると、真奈が黄緑を上へ呼んだ。
何だろう?シメるの?
こっそりとついて行こう。
イジメよくない うん
何とか足音を立てずに二階まで昇ると、俺の部屋から声が聞こえる。
『だからここは兄さんの部屋だから駄目なんだって!』
『でも私は許婚だから一緒の部屋でもいいと思うの』
『いや…そういう問題じゃ…第一兄さん反対してたんだけど』
『え!?』
扉の向こうから驚いた声が聞こえる。
いや、その前にあの黄緑着物女なんで人の部屋に住もうとしてるんだよ。
すでに守護霊の葵がいるから嫁姑戦争みたく言い争いになって夜も眠れなくなりそう…
『そ、そんな…真一さんにはすでに思い人がいたのですか…!?』
いや、未だいないけどね。
夕方くらいまでいたけどあれは過去の女(?)だしな。
『そう言うわけじゃなくて従姉がダメなんじゃない? ほら、×××すると○○○じゃん』
おい、伏字だらけで何言ってるかわからん。
もう一回言ってくれ。
『・・・・・//// そ、それでも愛があれば…』
何であの人こんなに好感度高いの?
従姉でも可愛いんだからときめいてしまうだろうが。
『愛・・・ね』
真奈(?)がぽつりとそう呟く。
ん?
『ならば真琴さんには兄さんと付き合うために試験を受けてもらうよ!!』
いや、何でそれ決めるのに俺の許し請わないの?
冷静に言ってるように見えるけど今俺汗だらだら垂れ流してるからね!?
『わ、わかりました…真一君のためなら…!』
なんか決意を秘めた声が聞こえるけど、俺がダメと言ったらだめだからな?
しかし試験って何するんだろう? 俺の好きなものを作るとか?
『その前に…兄さん! 聞き耳立ててないで下に言ってよ!!』
「げっ!? 何でバレた…」
『!? 真一君がいるんですか!』
「はいはい…俺には聞かせられない話なんでしょ…」
兄としての威厳がますますなくなってきている俺であった。
その後黄緑は元雷香君の部屋に居候した。
何を話し合ったのか結局聞いても教えてくれなかった。
・・・気になるな。
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