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まだ飯を食っている真奈は置いておいて、俺達は学校へ向かうために外に出る。
黄緑もどこで仕入れたのか、うちの学校の制服を着ている。
髪の色は派手派手しいが、割と似合っていた。
調子に乗りそうだし言わないけどな。
「おはよう真一! 雷香! ・・・と真奈?」
「おはようございます先輩、雷香ちゃん先輩! ・・・と真奈ちゃん?」
外へ出るや否や、裕也と栗原が立っている。
・・・雛形はまた寝坊? 絢もいないな。二人の反応を見るためにいるかと思ったんだが…
「おはよー裕也君、氷波ちゃん」
「おい、お前ら…どこをどう見てこいつが真奈に見えるんだ?」
何かわからんが雷香君はスルーを決め込んでいる。
少し見ない間に成長したようだ(妙な方向にだが)
まぁ黄緑も真奈も少し似てなくも…ないが、それだとシスコンととられかねないわな。
迂闊に容姿を褒められん。
「お、おはようございます…」
少し恥ずかしそうに挨拶をする黄緑。
そういえば、あまり人と話すタイプではないらしく人見知りなようだ。
「こいつは新たな居候の木崎真琴だ 俺の従姉らしい」
あ、そうだ。従姉だの従妹だの紛らわしいし分けておくか。
父方のこいつも母方の部長も幸か不幸か俺と同い年なのでややこしいだろうから、部長を妹で黄緑を姉としておこう。
真奈曰く誕生月的にそうなっているようだ。
こら、そこさっきからそうされているとか言わない。
「道理で似ていると思いましたよ! よろしくお願いします真琴さん! 私は真奈ちゃんの同級生の栗原氷波です」
そう言ってニコッと笑う栗原。
断じて愛想笑いではない。
「…親戚がいるなんて初めて聞いたんだけど? あ、祭黄さんもいるか」
腐れ縁の裕也は驚いているが、それ以上に普段女の子を名前呼びしているはずの裕也が苗字読みしていることだ。
・・・裕也も怖いんだな、あの人。
「僕は黒井裕也 真一とは幼馴染なんだ よろしくね! ええと…何て呼べばいいかな?」
裕也の言葉に内心すごく驚かされる。
あれ?いきなり下の名前で呼ぶかと思ったんだが…変な裕也だな。
「真琴でいいですよ 真一君と被っちゃいますし」
「…私と口調も一人称も被ってますけどね (出番も少ないし)」
栗原が遠い目で何か呟いている。
後半は良く聞こえなかったが…まぁいいか。
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