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そして時が飛んで四限目が終わった。
いつも通りの昼食だが…
「「「・・・・・・・・」」」
「?」
お弁当を食べ始めて以来何故か全く会話がない。
今日は裕也とゆかいな仲間たちが軒並み担任に呼ばれているので、ここにいるのは栗原と鳴とそして黄緑だ。
メンバーが訳の分からないことになっていることはさておき、ここだけの話栗原と鳴はあまり仲が良くない。
表面上はそうでもないのだが、二人っきりで話すことは全くないらしい。
真奈がいればこんな空気にはならないんだが…
あいつは今は裕也たち同様馬鹿な真似をして今頃説教を喰らっている。
「…なあ、栗原」
意を決して一番話しやすい栗原に話しかける。
少しの間を置いて栗原が口を開く。
「何ですか先輩? さっきの惨劇について何か弁解でもあるんですか?」
何故か俺にまで不機嫌そうな反応を示している。
いや、惨劇って言っても…真奈と雛形がメントスにコーラを入れて遊んでたら拭きだした泡が絢の目に入り暴れ出して裕也の股間に蹴りが入っただけだろ?
俺関係ないし。
「いや、真奈の水筒にコーラ入れたのアンタよね? 十六夜雷香が言ってたわよ」
「う…」
鳴がそう言いながら俺を恨みのこもった目で睨む。
何で知ってるんだ雷香君…。
因みに雷香君は真奈に体操服を雑巾代わりに使われたショックとその他もろもろで戦闘不能になっている。
・・・ドンマイ
「お二人ともどうして真一君を睨んでるのですか? 先ほどからずっと黙っているようですけど」
黄緑は何故こんなことになっているのか理解できていないようだ。
当然俺は2人ににらまれる理由は分かっている。断じてメントスコーラは関係ない・・・はず。
黄緑をちらっと見て鳴が口を開く。
先に言っておくが俺は悪くない。
「真一の馬鹿があのボロ雑巾の水筒にコーヒーを混ぜたのよ」
「それであのような表情になっているのですね…真一君いけませんよ!」
黄緑は顔を引きつらせながらそう話す。
いや、雷香君に対してはわざとじゃないんだ…茶を全部飲んだと言ったから俺の茶を渡そうとしたら間違ってコーヒーを入れてしまっただけなんだ…
「わざとじゃないんですか?」
「懐疑的な栗原にはコーヒーゼリーをプレゼントだ」
「…嫌がらせはひどいです」
その後はめちゃくちゃ世間話した。
あいつらは結局飯が食えなかった。
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