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あの後兄さんと真琴さんに一言二言言ってすぐに出たボクだったけど…
元々お買い物に時間をかけてしまいすぎてしまったんだよ
「……で、兄や従姉と話していたので遅刻したと?」
「その通りだよ店長!」
今いるのはバイト先(ファミレス)の店長の部屋。
中は割と綺麗で、何故か観葉植物が数多く飾られている。
「………何で悪びれてないのかよくわかんないけど 早く着替えて働きなさい」
そう言って店長は相変わらずの無表情(?)でボクを視線で追い出す。
もう、せっかちだなあ。年を取ると普通はのんびりするもんじゃないのかな?
…見た目はさほどボクと変わらないけどね。
忘れた人のために説明しておくと、今目の前にいる店長は七宮萌という目が死んでるけど童顔でとってもかわいい超巨乳だよ。
本人曰く何百年も生きているらしくて、しかしその片鱗も全く見えない無口な女の子なんだよ。
なんか最近は良くしゃべるようになったから無口ではないのかな?
見た目が良いからそれ目当てで客が来るんだけど不思議とナンパされたところを見たことないんだよね。
…加齢臭はしてないよ。
「…いつまでボーっとしてるの? 早く働きなさい」
「あ、ごめんごめん」
他者紹介に熱心になりすぎたね。
にしても…
店内から聞こえる声に耳を傾けると、女性の声ばかり。
この店のスタッフは店長の意向で全員女性である。
だから男性客がたくさん来るのかと思いきや…男子高校生くらいしか来ない。
何でだろう? まあいいや、さっさといかないとおばさんが切れる。
「ふんふんふ~ん ん?」
機嫌よくフロアをぶらぶら歩いていると、見知ったお客さんの姿が見えた。
・・・うん、店長は見てないね。 よし、サボろう!
いかにも仕事をしているかのようにその席へ向かって行った。
side out
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