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入るや否や男女の言い争う声が聞こえ、そこへ向かうことにした。
この声は…天音さんと鳴先輩か。
もしかして物騒なことになってたり?
そんなことが脳裏をよぎったので、先行して声の聞こえる部屋に入った。
「別に俺は操られてないと何度言ったら分かるんだ大葉さん…」
「嘘よ! あんな見知らぬ女と仲良くして…わたしというものがありながら…」
「えっと…どうしよう…」
見ると三人が言い争っていた。
いや、争っているのは鳴先輩と天音さんで残りの一人はどう落ち着かせればいいのか困っているようだ。
話が違うと思ったが、とにかく事情を聞こうと思い、ここにいた残りの一人であり天音響の妹である菘滴に話を聞くことにした。
え、そもそもどうしてボクが割と離れた他校の生徒と仲がいいのかって?
ボクが中等部の生徒会長だった時に噂を聞いて雑用部に頼みごとをしたんだ。
その時は真面目さを取り繕って行ったんだけど滴やマドンナさんにすぐにバレちゃったんだよね。
おっと、今は関係ないか。
「ねえ、これどういう状況なの?」
「なるちゃんが病んでるの!「病んでないわよ!!ぶっとばすわよ?」…怖いよう…」
ええと、この状況って…?
もしかしておかしくなったの天音さんじゃ…ない…?
そんなことを考えているとようやく二人がやってきた。
「西関…どうやら外れのようっすが?」
この状況を見て数陽ちゃんが呆れた顔をしている。
どう見ても痴話喧嘩にしか見えないしそんな顔になるよね…
「あれ…? じゃあ響の独断専行はどういう理由だったんや?」
思惑が外れ冷や汗をかく関西さん。
そんな彼女の言葉を耳聡く聞き、天音さんがこちらを向いた。
「だから何度も言ったけど頼まれたんだって!」
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