真奈の素敵な学園生活(?)

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関西さんが黄緑を連れて十分くらい経つと、雷香君が下へ降りてきた。 彼曰く夏休み中は俺の義理の弟である木崎舞灯と彼の許嫁かつ黄緑の妹であるについて調べていたらしい。 どう調べていたのかは教えてくれないが、黄緑に話を聞くなどして進めているらしい。 そら本人と関係の深い相手に聞けば進むだろうよ。 そういえば葵どこいった? また遠世のところにいるのか? 「ねえ真一兄、ちょっといいかな」 俺を見つけた雷香君が神妙な顔をして近づいてくる。 辺りをキョロキョロしている辺り他の人に聞かれたらまずい話か? 「どうしたんだ? 何かわかったのか?」 別に期待などしていないが一応そう言っておかなければいけないだろう。 雷香君は俺の言葉に頷き、階段を指さす。 「ついてきて (多分西関お嬢さんも…あの表情を見る限り…)」 「ん? 何か言ったのか?」 後半声が小さくて聞き取れなかったな。 まぁどうせ大したことないだろ。 雷香君に連れられて俺は義弟の部屋へ向かう。 着いた…なんでいつもこの部屋臭いんだろうか。 本人は問題ないのにな…死体でも埋まってるんじゃねえの? 「で、話って何だ? あ、扉締めるな 臭いのがうつるだろ」 俺の言葉に耳を貸さず無言で扉を閉められた。 …表情すら変えないとはよっぽど真剣な話なのか? 「ねえ、真一兄はぼくが木崎舞灯について調べている理由教えたっけ?」 口を開くや否やそんな問いを出された。 いや、知らんがな。 首を横に振ると、続けた。 「真一兄この部屋臭うっていったよね? 扉を閉めるときも嫌そうにしていたよね?」 「それと舞灯とどう関係するんだ?」 本題を言わないのでうんざりしつつ返答する。 これは俺の気のせいだとでも? 「ううん、ぼくには感じないけど臭いんだろうね 真奈リンも同じこと言ってたし それはどうでもいいんだけど」 「……」 早よ言えや。 てか臭くないの? 鼻おかしいんじゃねえの 「木崎舞灯が探している相手がわかったよ」 「ん?」
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