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pipipipi…pipipi…
「……ん…今何時…だ…?」
機械的な音…携帯のアラームが鳴る音が部屋に響く。
眠い目をこすりながら男が携帯を手に取り、時刻を確認する。
眩しっ
「・・・まだ六時か 誰だこんな時間に設定したのは」
そう呟く男だったが、すぐに携帯にロックをかけているため設定できるのは自分だけだと気付く。
まぁ、彼の周りにはその程度のロックなど簡単に解除できる人物がそろっているのだが…
「私じゃありませんよ? 妹様ですよ」
突然部屋の隅から女の声がする。
最近噂のここの家に住み着く地縛霊だろうか?
「…怒っていいですか? 怒りますよご主人様」
姿はすれども声はせず…。
こういう時どういう反応すればいいのか分かりませんの。
「姿が見えない? そりゃ部屋真っ暗ですからね なんでこんな分厚いカーテンなんてしてるんですか?」
「勝手に心読まないでくれないか葵?」
まぁ声の主が誰かなんて寝ぼけた頭でもすぐに分かったのだがな。
「読みやすいんですよご主人様は おはようございます」
声の主…間宮葵は名前を呼ばれると、俺の元へ歩き近づく。
ちょ・・・来るなし。
今言ったがこの着物女は間宮葵。
色々あってうちにやってきたただ飯ぐらいの居候だ。
…と言っても肉体がないので食えないんだろうが。
夏休み前に離ればなれになったが、苦労の末俺の守護霊として生きていく道を決めたらしい。
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