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「で? 結局俺に舞灯の探している人物を教えてどうしたかったんだ?」
未来に行くことを認められず不満げな雷香君に、目的を思い出させる。
俺が許可しても七宮が断るだろうからいい加減諦めてほしい…
「舞灯がどうして木崎日暮といるのかという答えだよ」
「えーと、黄緑妹もその人物を探しているのか? 舞灯とは別件で」
「ううん、ここからは杏さんの盗聴した情報なんだけど・・・」
急に声を小さくする雷香君。
いや、盗聴って…ああ、杏って鏡のあるところだったらどこでもいけるとかいう幽霊だっけ?
可能だろうがまじめなあいつに悪いことさせてるんじゃねえよ…
「どうやら二人の婚約の条件は探し人の手伝いだそうだよ」
「ふーん…まあいいんじゃねえの 復讐はいけないことだがリア充になりたいなら勝手にすればいい」
「………あの部活に入っている人の発言とは思えないんだけど」
そういい驚いた顔のまま固まる雷香君。
俺が所属している異端審問部は元はリア充を撲滅する部だからその反応も仕方ないかもしれない。
事実うちの学校ではカップルを萌やしでしばきまわす猫耳の女がいるという噂があるのだが、それは知っての通りうなぎさんだ。今はあんまり関係ないけど
とはいえ、その幹部格の俺が裕也に関してスルーしている辺り俺がリア充をどうでもいいと思っていることくらいわかっているとは思うんだが…
「黄緑妹はそれでいいのか? 同じことは黄緑にも言えるけどさ」
「あー…あのさ、真一兄」
すると今度は顔をひくつかせる雷香君。
嫌な予感がする。
「兄さんって間宮家ってどういう一族なのか知ってるでしょ?」
「……………まさかあの家も同じように…? いや、俺は違うだろ!?」
俺の元背後霊の間宮葵の子孫である間宮家は代々女しか生まれない呪い+超えっちい人種である。
未来でも子孫がクラスメートの大切なものを奪おうとしていた辺り、他の血では相殺できないほど強いらしい。
木崎家がそれと同じとはな…
俺と真奈に特有のものってあったっけか?
「安心して 真一兄と真奈リンは目の色が死んでるだけだから」
「お、おう…」
嬉しくねえ。
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