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俺に近づくなと言われ微妙にシュンとしながらも葵は部屋の電気を付ける。
…眩しいな。
「そういえば真奈が目覚まし設定してたって言ったよな?」
厳密には目覚まし時計ではないが…
葵は頷き、何故かにこやかに笑う。
…何故笑ったし。
「私今日遊びに行くので妹様に頼んでたんですよ」
「お前のせいかよ!?」
頼まれたからって俺の携帯を操作することはねえだろうが・・・。
後で覚えてろよあの妹野郎。
妙な起こされ方をして、今更眠気も起こらないのでやむなく学校へ行く準備に取り掛かる。
今日は始業式だ。行きたくないな。
着替えて部屋を出ようとすると、横からすっと葵が突っ込んできた。
何だ何だ?
「ではご主人様行ってきますね!」
「お、おう…」
俺の守護霊としての使命はどうしたのだろうか。
そう思ったが、昨日もいなかったので元も子もなかったな。
俺の返答を聞き、葵は元気そうに窓から飛び降りた。
…扉の前ふさいだくせに何でドア使わないんだ?
嫌がらせなのか?
ツッコみたかったが相手がいないので不承不承台所へ向かう。
今日は真奈が朝飯を作る番のはずだ。
「兄者! おはようございやす!!」
「しばくぞ」
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