真奈の素敵な学園生活(?)

44/44
前へ
/94ページ
次へ
「えっと・・・話が急すぎて分からないんですが」 天音が鳴に事情を話すも全くついていけていない。 ・・・元々真奈の様子がおかしいという理由で天音と話していたからな。 というか鳴よ。 自分の弟の命を奪ったかもしれない犯人の関係者の情報が聞けるのに何でそんなに反応が薄いんだ? まあいいや。 「で、教えてくれるんだよね? 未来であったあの人物は誰なのか」 「ああ 自分のことを吾輩と呼ぶ女なんて俺は一人しか知らないからな」 といっても俺自身そんなに知っているわけではないんだけどな。 何せ・・・小学生時代仲良くしていただけだし。 一緒に遊んだことも何度もあるけど・・・しかしだな。 「知って・・・いるんだ・・・ ねえ真一・・・その人のところに連れていってくれない?」 そう言って鳴が俺に頼みこんでくる。 いつもの彼女とは大違いだ。 それだけ鳴が冷静ぶっているのがはっきりわかるということだ。 「・・・・・・」 ううむ。 「木崎、もったいぶらないでくれないか? 過去に渡って魔法使いと渡り合える人物なんてそうそういないんだ」 「・・・話を聞く限り審問部にそんな人はいなかったわ」 つまり”ここで言わなくても自分たちで探す”ということですねわかります。 ・・・だが、言ってほしいのだろうな。 俺だって自分の家族を奪った関係者のことを意図的に隠されたら腹が立つ。 ・・・だが、だがしかしだ。 「・・・そうだ 審問部ではない 間宮や木崎といった異能力者集団の一族でもない」 あいつは・・・家は本人からの情報でしかないがそういう特殊な家系ではないと言っていた。 「だとすれば後天的な能力者か何かかな? 大葉さんみたいに」 「・・・そうですね 弟を失ってからこの能力が身につきましたし それで真一、結局教えてくれるの? くれないの?」 どっちつかずのことを言ったせいで癇に障ったらしい。 ちっこい体で鳴は俺をジロッとにらみつける。 ・・・まあ、教えるくらいならいいか。 どうせ彼女もそうなることを予想していただろう。 まあ真奈と天音が見たあいつがこの時代の人間だと決まったわけではないから結論はまだ早いがな。 「わかった じゃあ行くか・・・俺についてきてくれ」 何でこんなことになっているのか分からないが、二人を連れて俺は彼女・・・笹倉愛の元へ向かった。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加