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side ???
ボクがあの子と知り合ったのは、兄さんがあの子と遊んでいたからだ。
男の子にしては少々長い髪型に吾輩という変わった一人称といったようにあの子は結構変わっていた。
裕也君や氷波ちゃんとよく一緒にいた兄さんだけれど、時々あの子と遊んでいたんだ。
『ねえ、真奈お姉ちゃん』
あの子はうちに来るといつもボクのところへ来て話しかけてきた。
弟ができたみたいでかわいかったんだよね・・・。
まぁうちの弟は全くかわいげのない糞男子だったので兄さんがいないときもよく遊んでいたんだ。
やがて月日が流れて・・・
『・・・真奈ちゃん 実は吾輩真奈ちゃんに言いたいことがあるんだ』
ボクが中学生に上がる寸前のことだった。
放課後突然あの子に呼び出されたのだ。
この子自身ボクや兄さんだけでなく同学年・同級生の友達がいるので遊ぶ用事でもなしに呼ばれることは今までなかった。
・・・かわいげな顔をしていたが、珍しく浮かない顔をしていた。
聞けば近い内に引越しするらしい。
父親の仕事の影響だったそうだ。
毎日遊んでいたわけではないが、当時すごいショックだったのをボクは未だに覚えている。
「それが言いたかったこと?」
若干冷たい言い方になったが、動揺が隠せていなかったからしょうがない。
「う、ううん あともう一つ言いたいことがあるんだ・・・それは・・・・・・・
その言葉が何だったのか
ボクは思いだせない
side out
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