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「笹倉?」
「あ、そうだ!! 吾輩がいなくなって寂しくなかった? 吾輩は・・・ずっと真一兄ちゃんに会いたかったんだよ?」
「・・・・・」
「お茶熱くない? 吾輩最近冷たいものより暖かいものの方が好きなんだ!」
駄目だこいつ・・・。
話を聞いてくれない。
笹倉は家の外で話した時とは違い、何かを恐れているかのように俺の返事を聞かず話し続ける。
「・・・・・最近はあんまりだけど野球とかサッカーとかずっとしてたんだ 隙なのは水泳だけどね」
「・・・・・・・・・・・そうか 今もやってるんだな」
「またこっちに来れたからさ・・・真一兄ちゃんは友達になってくれるよね?」
「あ? 当たり前だろ? 何言ってるんだ?」
「本当? うれしいな!」
脊髄反射で返したものの、俺の脳内はその一つ前の発言のことでいっぱいいっぱいだったりする。
確か・・・俺とこいつで遊んでいた時ってキャッチボールやボールの蹴りあいとかだったよな・・・?
いや、まさか・・・そんなはずはないよな?
・・・・いや、待て待て待て!?
こういう言葉遣いの女子が数多くいるから忘れていたが・・・こいつまさか・・・
笹倉は俺の返事に喜んでいる。
が、突然表情を変えた。
「・・・吾輩見た目は男の子っぽくなくなってごめんね 頑張って男の子になるから友達でいてね?」
「・ ・ ・ ・ ・ 」
言葉が出ない。
俺は・・・
この子に一体何をしたのだろうか。
「笹倉・・・?」
「む、胸は本でよく書いてあるようにさらしを巻くし、声だって意図的に低くできるからそんなにわかんないと思うし・・・真一兄ちゃんと一緒にいても大丈夫だと思うんだ!」
「さ、笹倉?」
「黒井君や栗原さんや真奈ちゃんにばれないように頑張るからね!」
「くっ・・・・ごめん・・・ごめんな笹倉・・・」
「真一兄ちゃん!? ど、どうしたの急に!?」
あまりのことに思わず涙がこぼれてしまった。
俺は・・・あの時の我儘に長いこと付き合ってもらっていたことをかなり後悔していた。
だからってそれが今も続いているなんて思うわけないだろ!!
笹倉はどうやら俺と再び友達になりたいようで、再び男装する気のようだ。
俺が・・・あの時あんなことを言ったから・・・我儘にまだ付き合ってくれるのか?
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