その1 再び蘇るかませ

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朝から妙なノリでいる馬鹿のせいでイラッときている俺の目の前には黒いエプロンに身を包み、黒い何かを俺の弁当箱に詰めている真っ黒な女の姿が…って、お前何入れてんだよ。 「この際黒いエプロンはいいだろう 今何入れた?」 料理でありがちなダークマターかと思ったが、別に我が妹は料理は割とできる。俺以下だけど。 まさか…失敗して焦がしたとかなのか? それでも困るけどな。 「何って…イカ墨に浸した卵焼きだよ 美味しいんじゃないかなー」 …こちらを見ることなく何故か不機嫌な声でそう返事する真奈。 昨日家に帰ってきてから俺が寝るまで割とご機嫌だったはずだが、一体どうしたのだろうか? 「…単に寝付けなかっただけだから気にしなくていいよ」 俺の心を読み取ったのか、そう返す真奈。 眠いからって俺にやつあたるんじゃねえよ。さっきのテンションはそのせいか…情緒不安定かよ。 「暇なら雷ちゃん起こしてきてよ ボクもう眠いや・・・」 「そういいながら俺の弁当に黒いのいれるのやめろ つかどんだけあるんだイカ墨」 朝っぱらから目の毒なものを見せられ若干気分が悪くなりながらも、俺は一度家を出て隣の雷香君の家へ向かう。 前は家に住んでいたが、俺が帰ってきたら家出していたのだ。まぁ真奈と二人って気まずいよね。 「じゃあ俺は行ってくるけど二人もちゃんと遅刻せず来いよ?」 「「ふぁーい・・・」」 眠そうな二人を置いて俺は先に学校へ行く。 理由? 休みボケして早起きできなかったらしい。真奈も普段の夜更かしがたたったのか俺が出るまで眠そうだった。 あ、弁当は俺が作り直した。 あいつ自分と雷香君の分まで真黒にしてやがったからな・・・。 「・・・・・・・お前もか雛形」 「だって宿題終わってないんだからね! 遅刻しないよう行くんだからね!」 どうやら徹夜で宿題を頑張っていたらしい。 ツンデレをこじらせているところ悪いが、なんか鬱陶しいので俺は先に向かう。 この分だと裕也とゆかいな仲間たちも…なのか? 「はぁ…どうしてこうなった?」 学校に着いてないのに疲れてきたな…。 思わずため息を吐いていると… 「おはようなぎさん先輩!」 「・・・・・・・・」 余計疲れそうなうなぎがいた。 絡まれるのが恐ろしいので俺はダッシュで逃げた。
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