真奈の素敵な学園生活(もとい黄緑さんの暴走編)

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「まずどこから話しましょうか・・・」 そう言って話し始める。 どうやら素直に話してくれるようだ。 私は笹倉愛。 五人家族の長女です。 お父さんはどこかの会社の社長でお母さんは看護師長をしています。 私としてはそれを誇りに思っているのですが、ただ一つだけ恨みに思っていることがあります。 ・・・笹倉家には長子にのみ遺伝するらしい不思議な力があります。 代々笹倉家はその力を使ってある時は陰ながら人を助け、または悪用してきたようです。 真一兄さんはそれを予知能力だと思っているようですが、そんなものではありません。 それはただの偶然なのですから。 私の力は簡単に言えば・・・”知りたいことの答えを知る”ことです。 その力は人によってひどく異なります。 明日の天気が分かる程度や相手がどう思っているかが分かるなど様々です。 私の父親はそんな程度ではなく、自分の才能を活かすことにのみ何でも知ることができるようです。 歴代でも力の強い人は、災害を事前に察知できたそうです。 では私はどういう力だと思います? 未来予知ではないですし、読心の力ではないです。 そんなものではないんです。 ・・・実は私の力って人の運命を見ることなんです。 わかりにくいですか? 例えば私がある人を見れば過去のことは大体わかりますし、今何を思っているのかもわかります。 未来は・・・ある程度しか分かりません。 未来は変えられますからね。 どうですか? すごいでしょう。 ・・・こんな力なんていらないですよ。 よくあるでしょう? 相手が何を思っているのか分かるってことは相手が私をどう思っているのか分かってしまいます。 いくら未来が不確定とはいえ私がその人と友人になることで起こることは”ある程度”分かってしまいます。 親が金持ちだからとか、私の顔が気にいったとか・・・そんな理由で付き合っているのなんてまるわかりですよ。 とはいえ私だって人間です。家族以外の誰かとも付き合って行きたいです。 でも、クラスの人も高学年の人も・・・駄目でした。 私のことを何だと思っているんでしょうね? だから・・・私が真一兄さんに初めて会った時はびっくりしました。 『寂しい 誰か友達が・・・男の子の友達が欲しい』 女の子じゃダメなんですかね。
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