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「ちーあきっ!!」
『っわ!もう脅かさないでよ~』
ぼーっと学校までの道程を歩いていると、後ろから急に抱きつかれて驚いたあたし…でもこんなの毎日のことで当たり前の日常なんだ。
振り返ると予想通りの
綺麗な女の子が顔を覗かせた。
『…実彩子、おはよぉ』
「うん!って何ぼーっとしてんの?」
『…だってさ…今日で最後じゃん?』
「…千晃」
今日で高校生活最後の日。
今日、あたし達は卒業する。
考えないようにしてたのに実彩子のせいで
余計、実感してきて悲しくなってくる。
『…寂しくなるよね』
「そうだね、でも会えるじゃん?」
『…でもこうやって…っ…』
一生会えなくなる訳じゃない
だけどこの生活が無くなるんだって
思うとあたしはやっぱり嫌で…泣きたくなんかないのに涙が溢れて泣きじゃくるあたしを実彩子はギュッと抱きしめた。
『みちゃこぉ~』
「ちあきぃ~」
「…お前ら…なにやってんの?」
結局最後はお互いの名前を呼び合いながら
二人して号泣してると後ろから聞きなれた声がしてきた。
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