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「ずいぶんと雰囲気が変わったな。
でも、
元気そうじゃないか…」
変わらない顔で迎えてくれたマスター。
「ご無沙汰してます。
あの…
やっぱ俺、あっちでやってみることにしました。
今、麻美の父親にもそう話してきて…
正月休みの間に部屋を片づけて、
解約しようと思って。
いろいろと考えてもらったのに、
すみません…」
今日はやってないかと思った。店。
大晦日だし、
こんな日はコーヒーをのんびり飲みの来る人なんて殆どいないから、
いつもは閉めてたのに…
「まあそれも人生さ。
あ、今日は二階の大掃除だとか言ってさ、
邪魔者扱いさ。
だから店を開けてる。
それにおまえも帰ってくるような気がしてさ…」
客が居ないから雑巾を持ってガラスを磨いてる。
「コーヒー、勝手いれて飲んでくれ。
手が塞がってるもんでな…」
気を遣わせないように、普通にしてるのが、
凄くわかって…
涙が出そうになる。
そして、
勝手にカウンターの中に入り、
懐かしい香りをいっぱいに吸い込んで、
慣れた手つきでネルドリップのコーヒーを…。
数ヶ月離れてても、
体は覚えてるもんだな
「マスターのもいれましたよ?」
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