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「あんたが男だからよ」  あ、そっちか。  それにしても下品だ。  こんな誘い方ってないだろう。 「行くの、行かないの」  高圧的に言われ僕は怯んだが、行くという選択肢はない。  なぜなら僕は、したことが無いからだ。  初めては好きな人とと決めている。  女嫌いなのに笑っちゃうだろ。 「行きません」 「どうしてよ。私が相手をしてあげるって言ってんのよ」 「あなたが好きではないからです」  結城さんは椅子を倒して立ち上がると、僕の目の前に来る。  この人は見るたびいつも怒った顔をしていた。  今もそう。 「魅力が無いってこと?」  魅力はある。でも僕にはあんまり必要ない。 「女として見れないってこと? 可愛げが無いから? 優柔不断だから?」  畳み込む質問をした結城さんは、僕を見ながらその後ろに誰を見ているんだろう。  鼻を赤くして泣くのを堪えているのは、その人に対する意地に思う。
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