一章 紅いパートナー

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 立派な石造りの柱の建物だった。  中は当然のごとく、人でごった返している……と思ったが、中に入ってみると案外人は少なかった。  その代わり、広々とした空間の奥に横長の大理石作りの豪勢なカウンターがある。その真ん中に暇そうにしている女がいた。  おそらく受付だろう。  桜色の長い髪をした女だった。  胸元が大胆に開いているところをみると、受付嬢というよりは……  ゆっくり近づいていくと、うたた寝しかけていた彼女もぱっと起きた。  というか、条件反射的な反応ではあったが、虚ろな目がぱっちりと開いていた。 「い、いらっひゃいませ~」 「……」  半眼になり、黙っていると、再び受付嬢は船をこぎだそうとしていた。 「おい」 「ひゃ、い、いらっひゃいま……」 「寝んなよ!」  バンっと、カウンターをたたくと今度は、軽い悲鳴を上げて後ろへと沈んでいった。  頭に手を当て、天を仰ぐしかなかった…… 「ハッハッハッハッ! あんまり、うちの看板娘をいじめんでくれよ?」  すぐ横で声がした。  近づかれた気配はない……  視線を追ってみると、革製の鎧を着込んだ男が立っていた。  若干、顔は赤い…… 「あいったったったった……」  頭とお尻を押さえながら、受付嬢がのろのろと立ち上がってきた。
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