五章 それは爆裂する

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「余り時間もないな。さっきの音で金火龍の奴らは現れねぇだろうが、街の治安維持の連中が駆けつけちまう」  ニヤニヤしながら言う。  それを見ると、時間など大して関係ないというのがわかる。  おそらくそいつ等が来たとしても、脱出出来ると高をくくっているのだろう。  最初から上位の連中……特にマスタークラスが出てくるとは思えない。だからこその余裕。  とどのつまり、彼の実力はそういうことだ。  タタラは内心舌を巻いた。  普通に話しているときですら隙がない。    "……おい"  今更のようにまた、あの声が聞こえてきた。  "本当に正面から行く気か!?"
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