五章 それは爆裂する

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 逆につけいる隙は……ないということか。  武器も武器だ。  扱ったことがほとんどない剣を持ち対峙している。  本来の技は封印され、動きにも制限が起きている。  もっとも、ドラクラルで作られたような、特別な武器で武装されている相手に対して、あのようなちゃちなモノが通用するとも思えなかった。 「……」  "冷静になれ……"  ……煩い  声をうっとうしく思っていた時だった。  空いている左腕が不意に掴まれた。 「ッ!?」  振り返ってみると、下を向いているアイシャがいた。 「僕は……僕は……今の僕がなんなのか、僕にもわからない」
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