五章 それは爆裂する

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「いや……まだ俺の出る幕じゃない」  "―――――――ッ!"  煩い……  煩い、煩い、煩い!  言われなくても分かっているんだよ。  言われなくてもな……  だが……  だが…………  まだ、彼女の瞳は負けを認めていない。 「左腕パージ」  呟きが聞こえた。  次の瞬間、ボトッという音と共に彼女の左腕が肩口から落ちた。 「……」 「リミッター解除。増幅器、出力最大」  無機質な声と共に、彼女の纏う薄い魔力が濃く……そして膨れ上がっていく。 「まだなにかあるってのか!」  さすがに侮れないほどの魔力の放出に泡を食ったようにカムジャが剣を振るう。
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